書店に所狭しと並べられている単語集.
皆さんはどのようにして, 単語集を選んで買っていますか?
今日は単語集の選び方について、書いていきます.
単語の覚え方や教え方については様々な議論が交わされています.
実は, 単語の覚え方とか教え方に関する研究はまだ日が浅く、ウェリントン州立大学のPaul Nation教授によると,、過去100年間の研究のうちの3割は21世紀に入ってから行われたものとのことです.
今まで単語というミクロな視点で研究があまりなされていなかったのですね.
最近になって, 単語をどうやって教えるか, どうやって覚えるかという研究がなされています.
話を戻しましょう. どうやって単語を覚えるか, です.
単語の覚え方は今でこそ大量に論文が発表されていますが, 覚え方については, 大きく分けて2種類の覚え方に分かれます.
それが「Deliberate Learning」と「Incidental Learning」です.
【Deliberate Learning】
Deliberateというのは「意図的に」という意味です.
意図的に, つまり, 単語集等を使ってゴリゴリと覚えるのがこのDeliberateに当たります. 同じ「意図的」という意味で「Intentional Learning」とも言われます.
【Incidental Learning】
Incidentalというのは「偶発的に」という意味です.
偶発的に、つまり、気がついたら単語を覚えていたという学び方が, Incidental Learningです. 洋書を読んでいるうちに, 単語を覚えていたとか, 映画を見ながら英単語を学習するという勉強法です.
では、ここからが本題です.
自分が, deliberate learningが適しているのか, Incidental Leaningが適しているのか,自分で見極めることが大事です. 自分が単語集でゴリゴリ暗記していく方が適しているのか, それとも, 洋書や映画を見ながら自然と覚える方が好きなのか, ということをしっかり判断することが大事です.
これから受験勉強を始める受験生は, これからおそらくDeliberate Learningが中心になるでしょう.
というのも、受験勉強は「試験までの日数が限られている」からです.
また、社会人でTOEICなどの試験で昇進が決まってしまう方も, ある程度はDeliberateな単語の覚え方が求められることでしょう.
とはいえ、僕が授業でこの話をすると、間違いなくみなさん「Incidental」な覚え方のほうが良いと言います。やはり, 単語をゴリゴリと覚えていくのは苦痛であるという人が多いのも事実です.
書店の単語集はおそらく, 試験対策で書かれたものが多いです. そしてみなさんはそれを使って勉強するわけですが, 少しでも効率の良いものにしたいですよね. そこで「単語の覚え方」なる本が出版されたのですが, 自分が少しでも「Deliberate派」なのか「Incidental派」か見極めることが大事です.
次の記事では, もっともっと具体的に単語集の覚え方を書いていきます.
【Reference】
Nation, I. (2013). What should every EFL teacher know? Compass Publishing Tokyo, Japan.
コメント