正しい英語の多読学習の仕方

こんにちは、ヒサノリです。普段、英語を勉強したり、研究したりして生活をしています。

今日は「正しい多読の仕方」というテーマで書いていきます。多読というと「とにかくたくさん読めばいい」というイメージが強いですが、具体的にどんな風にたくさん読めばいいのかというところについてまではあまり語られることはなかったはずです。

ですので、今日は「どんな風に多読をすればいいのか」という方法論をお話ししていきます。それでは、始めましょう。

0 .序論―多読とは、多読のメカニズムとはー

はじめに、何を持って多読なのかという話ですが、ここは文字通り「英文を大量に読むこと」とします。

ですがこれまでの多読に関する記事は「どのくらいのレベルのものを読めばいいのか」というところに対してとても曖昧でした。それは置いておいて、多読をするとどのようなメリットがあるのでしょうか。

実は多読をすると「大量の文章に触れる→普段、単語集でしか使っていなかった語彙が定着する→英文を読むことになれる」というプロセスで、英語力が格段に上がります。

しかし、多読には正しい方法というのがあります。
今日はそれをご紹介します。

1. 結論―多読の方法とは?―

はじめに結論から書くと「難しいものでも簡単なものでもなく、自分のレベルよりも少しだけレベルの高いものをたくさん、できる限り早く読もう」ということです。

よく「多読は簡単なものから」と言われることが多いのですが、僕の意見としては「少し自分のレベルよりも高いもの」にすることが大事であると考えています。

というのも、自分のレベルよりも低いものを読んでいても、あまり生産性がないからです。

2. 理由その1―自分のレベルよりも高いものを読むことによって、語彙力がつくー

自分のレベルよりも少し高いものを読むことの理由の1つ目、「そのような読み方をすることによって読解力がつく」ということが挙げられます。

目安としては知らない単語が1割くらい入っているものが良いと思います。

最近はラダーシリーズのような親切な多読シリーズもあって、そのようなものには巻末に語彙リストがついています。日本語訳もついているものもあり、最近はとても親切になったと言えるでしょう。なので、自分がわからない語彙を単語集のように調べることができます。

3. 理由その2―自分の勉強のモチベーションになるー

2つ目の理由として、自分の勉強のモチベーションになるということが挙げられます。

やはり、自分が少し読めなさそうな本を読むことは自分の中で「勉強しないといけない」というモチベーションに変わるものです。

自分の勉強のモチベーションになるということはどういうことか。それは、英語教育の研究でいうと「英語学習の動機付けになる」ということです。なお、モチベーションが高まるからといって自分のレベルよりも高いものを扱うことは本末転倒なので、やめましょう。あくまでも「少し難しいもの」にするとオススメです。

3, 理由その3―自分のレベルよりも高いものを読むことによって、読解力がつくー

自分のレベルよりも高いものを読むことによって、明らかに読解力がつきます。例えば、自分のレベルよりも簡単なものを読んでいては意味がないですよね。

読解力がつくという点でも、とてもオススメ。簡単なものばかり読んでいると、退屈してしまうと思います。そして、そのような英語学習は大体、徒労に終わってしまうものです。多読学習に疲れるというのは英語学習の本質を見失っているということであって本末転倒です。ですので、自分が飽きないようにするために様々な工夫を凝らすことが大事です。

4,. では、どんな本を多読すればいい?

ここで皆さんに朗報ですが、今、多読のマテリアルはとてもあります。ここではいくらかの多読のマテリアルを紹介しますので、参考にしてみてくださいね。

①ラダーシリーズ:
言わずと知れた、多読学習のために作られた教材です。レベル1からレベル5まであって、中学1年生レベルから高校3年生レベルまであります。流石にレベル5―高校3年生レベルーになってくると、それなりに骨のある文章に遭遇しますね。

大学受験をする人にもオススメのレベルです。他にも下記のサイトがオススメです。

②Speed Readers:
英語教育―特に語彙の指導―の権威と言われている、ポール・ネーション教授が書いた本になります。
こちらは洋書になりますが、わからない言葉の意味が簡単な英語で書かれているのでわかるやすいと思います。様々なリーディングの記事がありますので、ここに紹介しておきます。

4. 注意点

すみません、ただ、多読するときにも注意点があります。
それは「極力早いスピードで」「できる限り多く読む」ことが大事です。

極力早いスピードで読むというのは、英語を読むための集中力を高めるということでもあります。

おそらく多読学習をしている人は、これから難しい文章を読めるようになりたいという目的を持って勉強しているはずです。

おそらく、皆さんが読みたいと思っているものはそれこそペーパーバックなどの本格的な英語でしょう。

そのようなものが読めるようになるためにも、多読学習はマンネリ化しないようにするために大量に、それもできる限り早い速度を維持しながら読んでいくことが大事です。

5. 結論

ここまでで、多読は英語力を高めるということ、そして、自分のレベルよりも少し高いものを扱うことが良いということをお話ししてきました。

最後に学問的な背景をお話ししたいと思います。インプット仮説というものが英語教育―正確には専門的な言葉で「第2言語習得と言います」ーの概念の1つとしてあります。

インプット仮説というのは、Krashenという言語学者の提唱した理論で「自分よりもちょっとレベルの高いものを読むと、アウトプットの力も上がる」というものです。

実はこれに対抗して、別のある学者が「アウトプット仮説」という仮説を提唱しているのですが、先ほどの多読のメリットというのは、このKrashenのインプット仮説を応用したものになります。

英語学習はとにかく、終わりの見えない旅のようなもので、そこに面白さがあると思っています。英語学習全般の注意点として「無理をしない」ということが大事であるように思います。英語というのはある程度の負荷をかけることが大事ですが、もっとも大事なのは英語を続けることです。

毎日の継続学習、ともに頑張っていきましょう。

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