こんにちは。ヒサノリです。いつも、英語を勉強したり、研究したりして生活をしています。今日は「学術書を楽しく読む3つの方法」というテーマでお話しをしていきます。
学術書というと「つまらない」「難しい」「読んでいて面白くない」というイメージがつきまとうと思います。
かくいう僕は言語学を研究していますがそれでも、言語学の本は「すべて楽しい」というわけではありません(中には退屈するようなものもあるというのはここだけの話です笑)
それでも、やはり研究をしている以上、その、一見してつまらなくて、難しくて読んでいて退屈する学術書を読んでいかないと、新しい学術的な知見は発見できないですよね。というわけで、今日は「学術書を楽しく読む」方法を3つ、ご紹介いたします。
これを読んでくださる皆さんが、読み終わった後に、学術書は面白いんだ!と思っていただけたら…嬉しいです!
1. そもそも学術書ってなんだ?
学術書というのは、いわゆる「研究の知見を本にしたもの」で、大体は学者によって書かれた本のことです。特に、言語学の世界は論文と同じくらいに学術書も重要視されると思います。これは分野によってよりけりで論文が評価されて本はあまり研究者の評価対象にならないところから、本が主な評価対象になる学問もあります。
やはり、研究者が書くだけあって、学術書というのは難しいですね。特に研究したての頃は、ネットで調べないと学術書の内容がわからないということもあって、苦戦していました。本に書いてあることを調べるためにネット検索するという…。
2. 学術書を読むメリットー例)教育の場合ー
学術書を読むメリットとしてはー確かに文章と内容が難しいにせよー最近の数年間で学術の世界で何が議論されているのかということを俯瞰できるというメリットがあります。例えば、言語学の話をすると、言語学のパラダイムが変わることによって、実は、英語教授法も変わったりしています。
例えば、認知言語学という言語学の一分野が1980年代に台頭すると、その知見が言語の教育に応用されたりしています。
例えば「多義語には核となる意味がある」「原義から攻める」という教え方が英語を指導している人は一度は生徒に言ったことがあると思います。
それは、Bolingerという言語学者が1975年頃に提唱した理論を、日本のある研究者が「コア理論」という形で命名してお茶の間に浸透させた方法なのです。
今、教育分野で具体例をあげましたが、そんな形で具体的に学問の世界で何が議論されているのかということがわかると、実践現場での指針になったりするのだと思います。実践現場でどのようにして言語の理論を生かせるのかということも立派な語学の先生の仕事だと思います。
そのほかにも、やはり読書家の中には、難しい本にもチャレンジしてみたいと思う人も多いはずです。
その時に学術書というのは、なかなかハードルが高いと思います。特に紙媒体で本を買いたいならば、大都市にある大きな書店に行かないと買えないこともあるでしょう。それでも、今はだいぶ、キンドルとか電子書籍でも読めるようになりました(特に洋書にこの傾向は強いですね)
3. 楽しく学術書を読む方法その1ー取材読みー
最初の方法は「自分が著者に取材しているつもりで読むこと」です。
学術書というのは先ほど書いたように「新しい知見をまとめたもの」ですから、その新しい知見は何か、どうやってその知見を発見したのか、仮説はなんだったのかとか「著者に聞くつもりで」読んでみるといいです。
その場合、最初のページから読まなくても構いません。自分が知りたいところから逆算して読めばいいのです。
特にアンソロジー(色々な論文がまとまって1冊の学術書になったもの)は以下のようにして取材を進めるといいでしょう。ご参考までに。
①タイトルと結論はなんですか?
ー終わりが見えていると読む動機が上がります
②この研究の目的はなんですか?
ーどの論文にも必ず目的があります
③この研究は何を確かめようとしているのですか?
ーいわゆる「リサーチクエスチョン」というところです
④実験の手法のキモはどこですか?
ー手法で新しいところを探します
⑤実験の結果と結果をどのように捉えましたか?
ーいわゆる、実験の結果と考察です。
4、楽しく学術書を読む方法2ー予測読みー
これは色々な本でも言われていますが「その後に何が来るのか予測しながら読む」という方法です。
この場合、最初から読んでいくことをオススメします。とはいえ、この予測読みはなかなかハードルが高いでしょう。というのも事前の前提知識がないと、予測しようにも知識不足でできないからです。
ですので、同じ分野の色々な本を読んで、やっと予測読みができるかなという感じです。
ちなみに、これはまたしても英語教育の分野の話になってしまうのですが、英語教育の場合、論文数は結構あります。
まあどこの分野でもそうなのかもしれませんが、読んでいると実験パターン、考察などなど一定の規則性が見えてきます。僕は鈍感なので、100本あたり読んだところで気づきました。追って、そのことも書ければとも思います。
話を戻すと、ある程度知識が溜まってきたら、予測しながら読んでみるといいかもしれません。学術書といえど、本ですから、全てを読む必要はないです。自分が読みたいところから読んでも大丈夫です。しかし、その読みたいところが読めないと、本を読んでもつまらないだけでしょう。ですので、学術書に読みなれていない頃は最初から読むといいです。
5、楽しく学術書を読む方法その3ー突っ込み読みー
文字通り、突っ込みながら読んでいく方法です。「ほうほう」「それは面白い」「なんでそうなったのかな?」「へえ、そんな解釈もできるんだ!」とか突っ込んで読んでいくだけで、モノクロの学術書に少しは色がつくようになります。
僕は大学1年目、まだ学問の「が」の字も知らない頃に、その方法で読んでいました。
とにかく、一般書みたいに学術書を読めるように色々な工夫をしたものです。実はこれは「取材読み」と似ているところもあると思いますが、とにかく、読んでいてとにかく突っ込むといいです。
6、まとめ
いかがでしたでしょうか。このようにして色々な方法で読むことができるので工夫してみてくださいね。
僕は「突っ込み読み」ー「取材読み」ー「予測読み」の順番でできるようになっていきました。最近は動画媒体が流行りを見せていますが、だからと言って本の未来は衰退することはないでしょう。
僕は本の未来は明るいと思っています。僕自身も、本を描いて生きていければどんなに幸せなことかと思います。それくらい、本が好きです。
いつか言語学の学術書を囲みながら、色々な話ができる相手がいればいいですね。
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