17時。この時間か。今日も研究だけの日だった。ちょっとこの頃疲れている。少なくとも、目が痛い。頭も痛い。ちょっとラーメン共和国でラーメン食べるか。札幌駅へ行こう。札幌、17時49分。行き先は倶知安。ええええ!!倶知安??ニセコの隣のあの倶知安、だよな。行こう。なになに?小樽に着くのは18時28分頃で、前3両だけが倶知安に行くらしい。後ろ3両は小樽で切り離し。ホームに上がると「ごおおおー!」って聞こえた。
いつからか、仕事のない日で、札幌の近くにいる日の夕方は倶知安に行きたいと思うようになった。ちなみに、札幌から倶知安までは片道で2000円以上する。もちろん、行ける日は限られていたのです。月2で行ければいいかなという感じでした。
でも、前もってこの日は倶知安に行こうと思って倶知安行きの電車に乗っていく。小樽を抜けて、いよいよローカル線(非電化区間)に入るとワクワクしていた。あのディーゼル音は感無量ですね。そして、冬だと、倶知安に着くと、もはや無音。深々とした銀世界が広がっていて。それはそれは素晴らしき光景でした。
21時40分の終電で帰る。そう、倶知安駅は、21時40分発の小樽駅が最終で。小樽に23時前に着くと、23時09分発の岩見沢駅で札幌へ。元きた道を引き返す。そして、0時を回って札幌駅が閉まる。ボクは終電の東西線で西28丁目の家に帰る。
夏は待合室に扇風機があった。風情がある。北の街の、豪雪地帯の、間も無く新幹線ができる前の、倶知安駅。あと6年後には電車が通らなくなる。北海道新幹線ができて、代行バスでの運転になる。倶知安駅は残るけど、新幹線と代行バスの場所となる。
いつからか、気がついたら、ボクは英語の予備校講師として、オンラインでも対面でも教えるようになって、研究はますます充実してきて、そのほかの仕事も入り、気づいたら、週6で仕事が入るようになった。もちろん、倶知安には簡単にはいけない。
そして、ボクは今月で、大好きな北海道の家を引き払って、藤沢に戻る。あと倶知安に行けるのは、仕事の都合上1回だけ。次はいつになるのか、わからない。
でも、ドリカムの「星空が映る海」を聞いていると、思い出すんだよ。朝里から見える海。真っ黒な海。真っ黒な星空。何も見えない。灯台の光がかすかに光るだけの、あの海。そして、倶知安駅の深々とした銀世界。もう味わうことも少ないだろう、倶知安駅があって、よかった。それこそ桑田佳祐さんの「白い恋人達」の世界だ。
こうして書いていると、一人泣きぬれた夜が、辛い毎日が、決して辛いことばかりではないことがわかる。
ありがとう、倶知安駅、絶対にまた行きます、倶知安駅。
あんなに好きな駅に出会う冬は、もう来ないのかな?また行こう。人生に倶知安駅があって、よかった!ありがとう、倶知安駅!ニセコライナー!
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