【連載】はじめてまなぶ語彙研究 vol.1

こんにちは。ヒサノリです。普段、英語を読んだり買いたりして生活をしています。今日から連載で「はじめてまなぶ語彙研究」と題して、語彙(=ボキャブラリー)の研究について紹介します。

僕自身は、大学で語彙習得・語彙指導を研究しています。これから大学院でも研究して、頑張って、教育への実装ができるようにしたいと考えています。

そんな僕が、語彙についての研究から、実際に教育現場ではどのように活かせばいいのかな、そんなことを連載で書いていきます。この連載は主に、下の3人のために書きました。当てはまる人はこの連載を読んでくださるととても嬉しく思います!

①これから「語彙」について研究したい学部生
②すでに「語彙」について研究している学部生・大学院生
③語彙指導をどのようにしたらいいのか悩んでいる英語の指導者

そんな人たちのために、始めました。この連載を読んで、何か研究や指導のヒントになることをつかんでくだされば…とても嬉しく思います!

それでは、はじめていきましょう!

1. 序章ー英語教育の3つの柱ー

英語教育には3つの柱があります。まずはそれについて解説をしていきます。それは「何」を「どのように」教えて「どうやって」評価をするかという3つの軸です。それでは、1つ1つ、解説をしていきましょう。

①「なに」を教える?
いわゆる「英語学習におけるコンテンツ」を考える場所です。英語学習において「なに」を教えるかを考えることは「どのように」教えるか、つまり、指導法を考える上でも役に立ちます。最近は、英語教育のコンテンツにメスを入れて考えている人はあまりいないというのが現状です。でも、英語学習を考えるときにコンテンツを考えるのはとても大事ですよね。

②「どのように」教える?
どのように教えるか、ということはこれも「なに」を教えるのかということと同じくらい、大事なことです。ここについては、めちゃくちゃ研究されていますね。いや、本当に「どれだけあるんだよ」と言いたくなります。

③「どうやって」評価する?
英語を学んでいる人(=英語学習者)の英語の学習の成果をどのように測定するかということは大事ですね。実は英検とかの資格試験もこの「評価」に当たります。実はこれは「テスティング論」というちゃんとした英語学習の研究領域があります。

この3つがしっかり噛み合って、やっとこさ、英語教育というのが成り立ちます。

教えるコンテンツだけ考えても、教え方を考えなければうまくいかないし、教え方が良くても、どうやって評価するの部分がないと英語を学んでいる人のモチベーションが上がりませんよね。

試験があるから、頑張れるという人もいるくらいですし。
ちょっとここで、語彙の研究のことに入っていきましょう。

2ー語彙についてのクイズです

語彙の研究はまちまちなんですよ。色々な分野がありますが、ここで簡単な(?)クイズを出しますので、回答してみてください。

haveという英単語の知識がある、という場合の知識は何のことですか?

これは僕が以前、サイエンスカフェという、いわゆる社会への研究活動の公開セミナーをしていたときにした質問です。さてみなさんは「have」という言葉の知識、色々と浮かんできていることと思いますが、どのようなことか、想像つきますか?

では、回答をお伝えします。

haveには「持つ」や「食べる」など色々な意味がありますね。その意味を知っている→言語学の「意味論」の知識がある

haveには「三人称単数現在」という用法において、haveではなくhasになる→言語学の「文法論」の知識がある

haveは会話で多用される→言語学の「語用論」の知識がある

ということです。意味論・文法論・語用論、のことについて解説をしますね。

3ー意味論・文法論・語用論って何?

意味論というのは、文字通り「単語の意味」について分析をすることです。haveの意味をこと細かく分析したりするのは、この意味論に入ります、これから語彙の連載をしていきますが、語彙の研究ではこの「意味論」の知見をよく使います。

文法論というのも、文字通り「文法の構造」について分析をすることです。haveと三人称単数現在は、明らかに文法論の知見です。文法についてはあまりこの連載で扱わないので、いつかどこかで。

語用論は、ちょっと聞きなれない名前ですよね。語用論とは、その言葉が会話などの状況でどのように用いられるかということを分析したものです。よく、コーパスといった「会話データと言葉の頻度を分析したもの」がありまして、そこで用いられます。

4ーまとめ

以上、ここまで、序章として、あれやこれや書いてきました。この連載では、まず、語彙指導の理論的なことを説明します。なるべく実践例も取り上げながら説明します。やはり、実践あっての、理論あっての英語教育ですからね。

今後の連載もお楽しみにしていてくださいね!
以上、第一回目の連載でした!

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