はじめに
これから、徐々にこのブログに自分の書いた教材を公開していこうと思います。これは、自分の教育方法をより多くの人に知ってもらいたいという思いがあるからです。これからも公開していきますね。なお、この教材は予備校で配布している教材を多少デザインを変えて、投稿したものです。
英検準1級 単語攻略レジュメ
根源的な話として単語が覚えられない理由は、諸説あるが、下の2つが、教えていてそしてその類の研究論文を読んでいて、盛んに議論されているのは以下2つのことである。
① 繰り返した回数が足りない
② その単語に対してリアリティが持てない
① 「繰り返した回数が少ない」について
大抵、生徒が「単語が覚えられない」と言った時に最初に聞くのは「何回、その単語集を繰り返したのか」ということである。多くの学生はそこで3〜4回、少ない時は2回と答えることが多いが、まずはそれでは覚えられないということは伝えることにしている。
>中学の時に単語を覚えるのを苦労した人が少ないのは、取り扱う単語がまだ少なく、意味的に 頻出度の高いいわゆる「基本的な語彙」であったため、何度も授業や教科書で遭遇して無意識 のうちにその単語に接していたからである。
② 「その単語にリアリティが持てない」について
リアリティというのはこの場合、自分の知識に関連づけて覚えられているかである。自分の興味や関心に近いものは覚えるし、聞いたことのある言葉ならばすぐに覚えられるはずである。
>例えば、retrieve(取り戻す)というのは、これだけならば、覚えられなくて苦労する学生が 多いであろうが、retrieverと名詞形にして、ローマ字読みをすると「レトリバー」になるこ とを知っていると「犬が輪投げを持ってくるところ」を思い出す学生も多い。事実、retrieve という単語を画像検索すると犬が輪投げを持って帰ってくる写真が多く見られる。
ここまでの話で「単語が覚えられない理由」という根源的な問題について、解説をした。では単語が覚えられないという問題をさらに絞り「英検準1級の英単語はなぜ覚えられないのか」という問題に迫ることにする。
ー英検準1級の英単語を覚えられない理由ー
① 身近に触れる回数が少ないので、自分で自発的に覚えないといけないため
② その単語に対して「どこでどう使うのか」という情報が単語集からでは得られないから
これから、順を追って、英検準1級の単語の攻略というところに焦点を当てて、説明をしていくことにしたい。なお、英検準1級受験者のバイブルである「でる順パス単」を元に解説をする。
【英検準1級の英単語が覚えられないのはなぜか】
① 単語集を繰り返した回数が足りないから
② 単語集で使っている単語がどこで使われるかわからず、リアリティが持てないから
では、英検準1級の単語集はどのように繰り返せば良いのか(①に関連)
英検準1級はmakeやhaveと言った言葉と異なり、普段、学生にとって単語に遭遇する機会が少ない。経験上、1ヶ月で覚えたい箇所を最低8回繰り返すことが合格への近道である。例えば、出る順パス単を全て覚える場合、具体的に8回繰り返す方法は以下の通り。ちなみに英検準1級の英単語は1550個、英熟語は300語収録されている。
【ステップ1】(目標所要期間:1日〜3日)(知らない言葉の把握なので、なるべく早めに!)
見出し語で見たことがない単語に「○」を、そして、見たことはあるが意味が思い出せないものについて「△」のマークをつける。単語集は結局、でる順パス単の場合全て覚えないといけないので(派生語を含む:派生語まで取れないと合格点に届かない)が、まずは見出し語だけでいいのでチェック。経験上、移動時間などをうまく使えば1日1時間くらいでできる。
―ここまででわからない単語が多くて悩むことはないです。
―わからない言葉に「×」をつけるとやる気が低下するので、「○」をつけましょう。
【ステップ2】(目標所要期間:20日〜1ヶ月前)
見出し語で「△」がついたものだけを覚える。例えば、devote(動)捧げると書いてあるとしたら、「devote 捧げる devote捧げる devote捧げる」とブツブツ声に出して繰り返して、覚えたと思ったらすぐ次の英単語へ行く。これを1日につき200単語こなそう。すべて覚えたとら、早急にステップ3へ。経験上、移動時間などをうまく使えば1日1時間くらいでできる。
―ここはあくまでも「テンポよく」することが大事。
―大体5回も唱えていれば暗記した気になるので、その後、次の単語に行く。
―あくまでも、テンポよく。全て覚えるまで何度も繰り返すこと。
―でも、あまり時間がかからないはず(見たことのある単語は覚えやすい)
【ステップ3】(目標所要時間:1ヶ月前後)
いよいよ見出し語の中で「○」をつけたものを暗記していく。見出し語で「○」がついたものだけを覚える。例えば、devote(動)捧げると書いてあるとしたら、「ridiculous 愚かな ridiculous 愚かな…」と繰り返して、覚えたと思ったらすぐ次の英単語へ行く。これを1日につき100〜200単語こなそう。すべて覚えたと思ったら、早急にステップ4へ。
【ステップ4】過去問をとく…どこでどう使うか把握できる。…目標所要期間:3回分で半月。
ここを忘れがちな人が多い。実は過去問を解くことにはメリットがあり、選択肢で正解にならなかった語彙が次の試験で出題されることが多いからである。ステップ3までこなすと25点中18問くらいは正解できるようになっている。ここで間違える問題としては「意味が知らなくて正解できなかった問題」と「意味を知っていたが正解できなかった問題」がある。
―意味が知らなくて正解できなかった問題
→まずは出る準パス単にその言葉がある確認して、あったらその場で暗記。なかったら、過去
問の解説を読んで、意味を暗記(暗記の仕方はステップ2・ステップ3と一緒)
―意味を知っていたが正解できなかった問題
→解説に載っている意味の方がしっくりくる場合があるので、解説に掲載されている意味を
パス単に書き込んでおく。
―選択肢で正解にならなくて、わからなかった言葉
→まず、その言葉がパス単にあるか確認。あるならば暗記。なければ暗記不要。
【ステップ5】派生語の暗記…目標所要期間:半月。
ここまででかなりの単語を覚えていると思うので、次は派生語の暗記に進む。これもステップ1と同様、意味がうろ覚えのものには「△」、意味が出てこないものについては「○」をつけて英語→日本語の順で、とにかくテンポ良く覚える。経験上、1日1時間、1週間あれば覚えられるはずである。
ここまでで、ステップ2とステップ3でかなり繰り返しているので、わからない単語に関しては最低8回は目につけていると考えられる。以下、よくある質問に回答。
① 英語→日本語、日本語→英語のどちらで覚えた方がいいのか?
断然、英語→日本語の順番で暗記。英検準1級の文章を読めたり、聞けたりすることが第一であり、まずはインプットする際に用いることが第一で、アウトプットはインプットできるようになってから考えてもいい。なお、英語→日本語の方で覚えた方が、逆の順で暗記するよりも5分の1の時間で覚えられるという研究結果まで報告されている。まずはインプットで使えるようになるために、英語→日本語の準で覚えれば大丈夫。
② ステップ5まで進んでも覚えられないものは?
そのような場合にお勧めしているのは、GOOGLEで画像検索をして、ポケットに入れておくか部屋の目立つ位置に貼っておく。2つ目に、ノートに単語と意味を書いて、目立つ位置においておく。その2つ。これはインパクトで覚える。リアリティを強く持つということになる。
―ちなみに、私自身は「impudent」(図々しい)という形容詞が覚えられなくて、ノート1ページ分に大きく書いて、壁に貼っていたらいつの間にか覚えていました。
③ 辞書は引くべき?
一応、引かなくてもいいし、基本、引くと他の単語まで目について暗記すると言われていることが多いが、他の単語に目をつかるあまり、覚えるべき単語のインパクトが弱まってしまうのでオススメしていません。あくまでもでる順パス単がベースです。
④ 派生語は暗記すべき?
派生語は暗記すること。直近の私がした調査によると、派生語を覚えると25点満点で18〜20点は得点できるようになっている。しかし、派生語を暗記しないで見出し語だけを覚えても15点くらいしか届かない。試験というのは年々、難しくなっている(その証拠か、受験料も年々高くなっている)。できれば覚えるべきであるか、というレベルではなく、必ず暗記。
【最後に】
単語は「繰り返しみる」「触れる回数を増やす」ことが大事。1ヶ月に8回繰り返しても覚えられなかったら、10回でも何回でもその単語に触れましょう。英語は継続命なので、毎日朝起きたら必ずでる順パス単を見るくらいのことをした方がいいです。単語というのは覚えるのに時間がかかるので、覚え流ための手段ならば選ばないくらいがちょうどいいです。ちなみに、ステップ5までは3ヶ月、英検が終わって、次の英検までの期間を想定しました。
英検準1級単語学習の前提(まとめ)
① 単語集1冊の回転率は1ヶ月に8回(最低6回、しかし8回がベスト、いや、8回すること)
② 理想は集中的にこなして3ヶ月で暗記(単語学習に長期計画は逆効果)
③ 過去問、派生語は必ず覚える
④ 覚えるためならば手段を選ばない!
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